2015年7月12日日曜日

母乳について2

母乳について2

哺乳類の最大の特徴は
胎盤と乳腺にあるという
つまり
子宮と乳房(おっぱい)です
これはお母さんの特徴であり
赤ちゃんにとって
まことに巧妙な仕組みです

池田清明

胎盤は胎児に酸素、栄養物質、免疫物質
を与え、
二酸化炭素や老廃物を引き取る物質交換と
薬物など有害物質をブロックする
関門の役割を持つ


胎児は羊水の中で
無重力状態(地上の1/6)なので
骨には強度がいらず
むしろ
骨の柔軟性で
出産を容易にしているわけです
参照:「無重力で老化早まる?」⇒
http://www.asahi.com/articles/ASG2D3K69G2DUZVL008.html
参照:「赤ちゃんは宇宙飛行士」⇒
http://tadnakada.blogspot.jp/2014/03/blog-post.html



しかし生後は重力の中で過ごすので
短期間で骨の強度を
上げなくてはならない

骨は主にリン酸カルシウムと
コラーゲン(タンパク質)で出来ているから
乳児にカルシウムとリン酸を
大量に与える必要があります
参照:「骨の細胞と海と重力」⇒
http://tadnakada.blogspot.jp/2014/03/blog-post_6.html

そこで、母乳のタンパク質カゼインがカルシウムとリン酸を結合して水溶性ミセルとなって
乳に含まれるようになったのです

乳のすごいところは
三大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)を
含め全てが水溶性または水分散性に
なっているところです
白く濁っているのはそのせいです

母乳は 出産後5~7日までの乳を初乳といい
15日以降は成熟乳と言います

初乳の組成は血漿に近く
新生児を感染から防ぐ働きがある
抗体(免疫グロブリンA、G、M)が多い
免疫グロブリン(Ig)AとGは細菌類を防御します
初乳には分子量の大きい免疫グロブリン(Ig)Aが
特に多く含まれ消化器系を保護します
また、免疫グロブリン(Ig)Gだけは
胎盤からへその緒を通って
胎児に移行します
6か月まではしかにかからないのは
このせいです

初乳中には多数の白血球が存在し
異物を食べるマクロファージがほとんどです

また鉄とタンパク質が結びついた
ラクトフェリンが非常に多く
細菌の働きを弱めたり殺したりします

酵素も含まれており
リゾチームは殺菌効果のあるタンパク質で
細菌の細胞壁を加水分解
して殺してしまいます


ミルクの原料牛乳と母乳を比較すると

成熟乳の牛乳との比較
(スエーデンの資料)
牛乳はタンパク質が多いですが
その大部分はカゼインです
カゼインはチーズのタンパク質です

牛乳のミネラルは母乳の3倍くらいありますが
人間の赤ちゃんにとっては多過ぎ
迷惑な話です

母乳はタンパク質が少なく
脂質と糖質が多い

牛乳はタンパク質が多く
カルシュウム、リンが多い
母乳の3倍以上です
生まれてすぐ立って歩く必要が
あるからではないでしょうか?

タンパク質の比較
(スエーデンの資料)
母乳にはタンパク質ラクトフェリンが
多いことが特徴です
母乳には抗体IgAが多いのも特徴です

母乳はどうつくられるのでしょう?

おっぱいの構造
乳腺は乳頭を中心として放射状に
15~24個の乳腺葉から成り
乳腺葉は数個の小葉から成っています

小葉には小さな導管があり
その周りにブドウの房のように乳腺胞があります
乳腺胞には上皮細胞(乳腺細胞)があり
この細胞内で母乳がつくられます
 
下図は
母乳を作る乳腺細胞です
毛細血管から水分、ミネラル他の必要な材料を
吸収し
ゴルジ体でタンパク質カゼインをつくりミセルにし
脂肪の粒をつくり
おっぱいに貯蔵する

乳腺組織は結合組織と脂肪で囲まれて
ふくよかな乳房を形づくっているわけです

母乳は乳腺胞に分泌され乳管洞で貯蔵されます
乳房の大きさは乳腺の量ではなく
乳腺組織を取り囲んでいる脂肪の量で決まります
乳腺の機能と乳房の大きさは全く関係ありません
ですから、小さくとも多く出るお母さんもいます 

男性は本能的におっぱいが好きですが
大きさは脂肪だったわけです
男性は視覚的感覚と
触感を求めているのだと思います
まだ乳離れしていないのですね


引用:酒井仙吉「哺乳類誕生」講談社 ブルーバックス
内藤寿七郎「赤ちゃんの命を守る母乳のはなし」
同文書院
山本高治郎「母乳」岩波書店 岩波新書
主婦の友社編「あんしん母乳育児」主婦の友社
「生命大躍進」NHK出版

「母乳について」⇒

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