2013年9月30日月曜日

38億年の生命誌

38億年の生命誌
 
中村桂子博士の扇型の生命誌絵巻を
眺めていると
 
38億年連綿と続いている生命の
姿を教えてくれます
 
中村桂子「生命誌絵巻」
出典⇒
 
扇のかなめは
生命が生まれた38億年前である
一種類のゲノム(細胞内の1セット全体のDNA
を持った
一個の細胞
だったはずである
 
 
 
38億年の間に
ゲノムに変化が現れ
生物種が増えました
 
扇のふちが
現在を示しています
地球上の生物種は870万種以上と推定されています
(出典⇒
 
 
扇のふちの左側にヒト
(ヒトは一種類、人種は無い)、
右側にバクテリアがいます
 
すべての生物種が
38億年の歴史のあるDNAを持ち
同じ遺伝暗号(タンパク質を表す塩基の組み合わせ)を使った遺伝子を持っている
 
これは驚きです
 
和田誠さんの「新生命誌絵巻」は
時代と地球の姿も描いています
 
和田誠「新生命誌絵巻」
出典⇒
 
 
*用語の整理
 
・染色体:細胞分裂のとき現れるX状構造体(DNA複製によりJ字状の染色分体が中央で重なっている)
染色体は父母由来の2セットある
 
・ゲノム:染色体1セット全体のDNA
ヒトゲノムの1セットは22本の常染色体とXかYの性染色体
 
・DNA:糖とリン酸と塩基からなる2重らせん構造物質
細胞の核の中で普段は解かれている
DNA⇒ http://tadnakada.blogspot.jp/2013/06/dna.html
 
・遺伝子:DNAのタンパク質の構造に関する暗号部分
DNA全体の数%
ヒトゲノムでは3~4万の遺伝子がある
*遺伝子は英語でGene、中国語で起因子と呼ばれ
共に「創り出す」意がある
 
 
参照「遺伝子の正体」⇒

2013年9月22日日曜日

僕の精子は38億70歳

僕の精子は38億70歳
 
 
『生物を構成する細胞は
生殖細胞(精子、卵子など)と
体細胞に大別される
 
体細胞は身体を形づくるのに必要で、
その個体一代限りの細胞だが
 
生殖細胞は次代に遺伝情報を受け渡すという
重要な役割を持ち
世代をつなぐ「不死」の細胞と言える』
 
出典;理化学研究所 2013 プレスリリースより⇒
 
 
 
Fig.1 にわとりの体細胞は一代限り、
生殖細胞(たまご)は不死
 


つまり
不死の細胞 生殖細胞(卵子、精子)は
めんどりでは
→受精卵→にわとり(卵子)→受精卵
→にわとり(卵子)→受精卵→
というふうに受け継がれてゆく

そして
生殖細胞の元になる細胞(始原生殖細胞)が
受精後間もなく胎児の中に作られるのには
びっくりさせられます(Fig2)


Fig.2 マウス生殖細胞系譜と
胚胎、生殖細胞より作成される幹細胞
 
『マウスの生殖細胞は受精後7.5日胚に初めて出現し、
その後体内を遊走して
受精後11.5日に将来の精巣や卵巣となる胎児期生殖巣に
たどりつきます
この生殖巣内で配偶子形成が進み、卵子と精子が作られます』
 
出典;理化学研究所 2013 プレスリリースより⇒

そうすると、僕が持つ精子は
母の受精卵が胚(僕)になって間もなく僕(胚)の中に始原生殖細胞ができ
やがて睾丸にたどりついて
できたことがわかります

そうすると
僕自身は70歳ですが、
僕が持つ精子は地球上に生命が誕生して以来
面々といのち(遺伝子)が受け継がれて
38億70歳
ということになります

 
 射精されて卵子をめざして進む精子

出典:NHK取材班 「NHKサイエンススペシャル 驚異の小宇宙 人体 生命誕生 」
日本放送出版協会(1989)
 
劇的な受精の瞬間 

出典:「ウニ卵受精の瞬間」薄井紀子帝京大助教授


大切な話1 いのちは奇跡⇒