東京大学に学ぶ 素粒子 3
ニュートリノ
「5分でわかる
ニュートリノの秘密」
著作:東京大学宇宙線研究所
より
バロックを聞きながら
バロックを聞きながら
宇宙はニュートリノだらけ
138億年前、宇宙が生まれた時に生まれた
沢山のニュートリノが
今も私たちの周りを飛び回っている
太陽や星の中でもニュートリノは生まれている
星の寿命が尽きて超新生爆発を起こすときも
沢山生まれます
宇宙から飛んできた高速の粒子(宇宙線)が
地球の大気と衝突した時にも生まれます
宇宙は1ccあたり300個くらいのニュートリノで
満たされています
太陽で生まれたニュートリノが私たちの体を
1秒間で数百兆個も通りぬけている
これは人間の健康には何の影響もありません
ニュートリノの発見
ニュートリノは1930年オーストリアの物理学者パウリが
電気を持たない幽霊のような粒子があると考えた
1956年アメリカのライネスらが
原子炉で生まれたニュートリノを捕まえました
ニュートリノのネーミング
1933年イタリアのフェルミが電気を持たない中性を意味する
「neutral」と
イタリア語で小さなものを意味する
「ino」を組み合わせて「neutrino」と名付けました
ニュートリノは何でも通りぬける
太陽で生まれたニュートリノは
地球を難なく通り抜けている
ニュートリノは軽い
電子も軽い粒子ですが
ニュートリノは
電子の100万分の1よりも軽い
ニュートリノは3兄弟
電子型、ミュー型、タウ型
変身する
これをニュートリノ振動と言います
例えば、宇宙を旅している間に
ミュー型が電子型に変わる
よくわかるニュートリノ振動解説
ニュートリノを捕まえろ
スーパーカミオカンデには
5万トンの水が貯えられている
水の分子にごくまれにニュートリノが衝突して
飛び出す粒子が弱い光を放ちます
その光を捕まえます
スーパーカミオカンデでは
1日当たり
太陽からのニュートリノを約15個
大気中でできたニュートリノを約8個
「見つけています
1998年梶田隆章先生が
地球の裏側の大気中で生まれたニュートリノの
半分近くが地球を通りぬけて
スーパーカミオカンデまで届く間に
ミュー型から別の型に変わることを
発見しました
これはニュートリノに重さがあったからなのです
梶田先生は
「ニュートリノの研究は
人類の知の地平線を拡げる」
とおっしゃっています
ニュートリノは138億年前の宇宙創成時に
生まれたことから
ニュートリノの研究により
「私たちがこの宇宙にどうして生まれたか」など
基本的な問題に迫ることができると期待されています
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